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第一章 イントロダクション

はじめに

InterviewCatでは主に外資の面接対策について解説しましたが、日本国内のソフトウェアエンジニアにとって、最も現実的なキャリアパスのひとつがメガベンチャーです。明確な定義はありませんが、一般的にはLINEヤフー、サイバーエージェント、楽天、DeNAといった企業が代表的な例です。
私は最初これらの企業に就職するのは特に対策らしい事をする必要はなく挑戦できるものだと考えていました。実際、これらの企業の面接は特別準備が必要なものではありません。一般的な経歴の棚卸しをして面接で語れるようになるだけで十分です。しかし数百人のエンジニアとキャリア相談を重ねる中でその認識は大きく変わる事となりました。
これらの企業に挑戦するには面接直前の対策ではなく、むしろ普段の働き方が最も大切となっていますそれは仕事で使っている技術構成であったり、日々の開発プロセス、技術的な意思決定の経験が直接問われるからです。
例えば、あるエンジニアが新卒からSESの現場で働いていた場合、もし技術選定の自由度が少なく、日々の開発が決められた仕様通りにコードを書く作業に偏っているとしたらどうでしょうか?これをそのままメガベンチャーで話すとほぼ間違いなく落ちるでしょう。メガベンチャーでは一人一人のエンジニアに裁量がありジュニアやシニア関係なくプロジェクトへコミットする事が求められます。主体性をもって働くことができるか?技術選定の議論に参加できるか?技術レベルは合っているか?ビジネスに貢献するコードを書けるか?などを過去の経験を通して深堀りしていきます。
この過去の経験というのがとても大事であり、これは一長一短で準備できるものではありません。ただなんとなく上から降ってくる仕事している人はこの本を読んだ後で自分の仕事を見つめ直してください。この本には、どんな経験をしている方がメガベンチャーの面接で評価されるかが書いてあります。

対象となる読者

この本では以下の企業を目指す方を対象とします。
  • メガベンチャー(LINEヤフー、サイバーエージェント、DeNA等)を目指すエンジニア
  • 有名スタートアップ(SmartHR、LegalOn Technologies、CADDi等)を目指すエンジニア
  • ジョブレベルとしてはジュニア〜ミドルレベル
メガベンチャーだけでなく有名スタートアップも入れている理由としては、単純に面接手法が似ている点とスタートアップとは言ってもこれらの企業はエンジニア組織の規模も年収もメガベンチャーに引けを取らない、もしくは超えている企業もあります。しっかりと名前の通っているスタートアップであれば経歴にもプラスに働くのも良い点です。

本書に含まれる内容

  • 書類審査の通過率を上げるためのレジュメのコンプリートガイド
  • 第二章ではメガベンチャーから評価されるエンジニアの経験について
  • 第三章ではメガベンチャーの面接対策について、何を重点的に準備すべきなのか?
  • 第四章ではメガベンチャーでよく聞かれる経歴深堀りの質問集、回答のヒントも合わせて活用できます
  • 第五章ではメガベンチャー各社の面接を受ける際の個別に大事にすべき考え方について
また購入者には専用Discordへの参加が可能です。⬇️に招待リンクがあるので是非ご参加ください。

InterviewCatとの違いについて

InterviewCatInterviewCat - InterviewCat | テック企業面接対策ガイド は主に外資とそれに準ずる採用プロセスの企業を主に対象にしていましたが、こちらは国内メガベンチャーに限定した転職ガイドとなっています。重なっている部分はありますが、見るべきポイントなどは少し変わってくるので、メガベンチャー限定で転職活動考えてる方はこちらがオススメです。

そもそも何故メガベンチャーに入るべきなのか?

メガベンチャーに入る事の利点は様々ですが、個人的に以下の点が大きいと考えています。

1. 成長しやすい環境

エンジニアとして成長する上で大事な要素として私は「課題の規模感」「同僚のレベル」のこの二点を非常に大切にしています。
課題の規模感とはユーザーの多さ、データ量の多さ、トラフィックの多さ、エンジニア組織の大きさなど、分野問わず解決する課題が大きい事を指します。皆さん想像してみれば分かりますが、秒間10万件か100件のリクエストを処理する課題どちらが難易度高いと思いますか?当然ですが秒間10万件のリクエストを処理する方がはるかに難しいですよね?エンジニアの成長とはこうした高難易度の課題を解決していく中で知識がたまり血肉となって成長していきます。もちろんメガベンチャーにだけそういった規模感のある仕事があるとは言いませんが、その確率は一般的なIT企業より高い事は間違いありません。
例えばPayPayでは従来JVMで課題だった増加するk8sクラスタ上のリソース消費が課題でした。しかしRust移行のPoC行い十分に効果がある事を示す事ができたわけです。これはPayPayの規模だからこそできる話です。
これをその辺の中小企業が同じ事をしてもビジネス合理性が見出だせないので、面接でこの事を話すと独りよがりのエンジニアリング、仕事に趣味を持ち出す人と判断されてしまいます。技術的チャレンジがビジネスに直結する企業で働く事の大事さを理解できたのではないでしょうか?
同僚のレベルとはその名の通り一緒に働く同僚のエンジニアの優秀さを指します。メガベンチャーのエンジニア = 優秀ではないですが、一般より入社ハードルが高いので一定以上のレベル感があり優秀なエンジニアと一緒に働ける可能性が高いです。優秀な同僚がいる環境では、日々のコードレビューや技術議論を通じて、自分に足りない部分を効率的に成長させる事ができます。私は二社目で自分が一番上の技術的リーダーとして働く環境で仕事しましたが、自分の技術選定の結果を同じレベルで議論できる人がいませんでした。あの時を振り返るとエンジニアとしての成長という意味で誤った方向に進んでしまったと反省しています。あなたが経験を切り売りする年代に入ったならこれでもよいですが、エンジニアとして成長したいなら、自分より優秀なエンジニアがいる環境で働きましょう。

2. 経歴になる

メガベンチャーでの経験は、単に成長の機会を提供するだけでなく、自分の価値を高める「経歴」としての価値も持っています。メガベンチャーにはそれなりの入社ハードルがあると言いました。言い換えれば、一定のクオリティを持っているであろうという安心感があります。みなさんもクックパッドレイオフは記憶に新しいと思いますが、クックパッドを退職したエンジニアに対して多数の企業がうちに転職しませんか?とアピールしたのはニュースにもなりました。
繰り返しますが、メガベンチャーのエンジニア = 優秀ではありません。しかし、日本人のエンジニアからランダムにエンジニアをピックアップするのとメガベンチャーのエンジニアをピックアップするのでは、明らかにとメガベンチャーのエンジニア優秀である可能性が高いのは言うまでもないでしょう。メガベンチャーのエンジニアは使えないと言っている方もXで見たりしますが、高学歴は使えない理論と同じようなものです。勝手に言っているだけなので無視しましょう。

3. キャリアパスの広がり

メガベンチャーでの経験を活かし年収を上げていく手法は複数ありますがここでは外資フリーランスについて語ります。

外資への転職

メガベンチャー出身者の中には、Google、Amazon、Indeedといった外資系企業に転職する人も少なくありません。メガベンチャーで経験を積むことで、経験に関してはポジションマッチさえすればこれらの企業に挑戦する上で十分な準備ができています。後はInterviewCatを読んでほしいのですが、メガベンチャーから外資へ転職するというのは現実的なキャリアパスではあります(英語さえできれば)。
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リファラルを活用する

JTCと違って転職前提で入る人が多いので、数年経てば同僚は様々なキャリアを選択しています。違う会社に普通に転職しているだけでなく、スタートアップを起業したり、CTOや上位職になっている例もあるでしょう。一緒に昔働いていた仲間であれば誘われる事は少なくありません。
つまり、元同僚が新しい会社で活躍することで、あなた自身のキャリアチャンスも広がるということです。これはリファラルと呼びますが、特にキャリアが深くなってからはこの横のつながりが非常に大切です。しかもこれは時が経つにつれてより強力になっていきます。それはあなたの元同僚は意思決定ができるポジションへついていくからです。
スタートアップを起業している私の友人はとあるメガベンチャーの出身でした。彼は起業に失敗してしまいましたが、それを知った元同僚は転職先で部長格として働いておりすぐに連絡してキャリアをリスタートさせることに成功しました。
人数も多いため横のつながりができやすいというのもメガベンチャーで働くことの利点です。

フリーランス

フリーランス市場を見渡すと、横のつながりの強さ、経歴・経験の価値、案件の単価といった要素において、メガベンチャーでの経験を活かす事ができます。
元同僚がフリーランス案件を紹介してくれる、スタートアップや成長企業からの直接スカウトが増える、エージェントを介さず知人経由で単価の高い案件を受けやすいなどメリットは様々あります。フリーランスは特に人材の質がブレやすいので、メガベンチャーの経験が豊富なエンジニアは相手に安心感を与える事ができます。
私の知人にはメガベンチャー出身で副業でフリーランスをやっている人もいますし、フリーランスで複数案件をこなして年商2000万円以上を稼いでいる方もそんなに珍しくありません。
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