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英語レジュメの書き方

あなたがいくらLeetCodeの練習に時間を費やし準備していたとしても面接にたどり着かなければその成果を発揮する事はありません。ある意味、書類選考(Resume screening)は面接プロセスの中で最も重要な要素かもしれません。本章ではソフトウェアエンジニアのResumeを書くための具体的なステップを紹介します。

英語レジュメガイド

Microsoft WordかGoogle DocsのテンプレートからResumeを作成

ゼロからResumeを作成するのは時間がかかります。Microsoft WordかGoogle Docsのテンプレートを利用するのが良いでしょう。私はGoogle Docsのテンプレートを活用しています。最終的にはPDFに出力して提出する事になります。ここに載せたリンクだけでなく自分で探しても問題ありません。
多くの企業ではATSを用いてResumeを機械的にスキャンするので “ATS resume checker” みたいなサービスで正しくスキャンされるか確かめるのも重要だと思います。
最も一般的に使用されている英文履歴書の書式は、クロノロジカルレジュメ、ファンクショナルレジュメ、コンビネーションレジュメの3種類です。どの書式を使うべきかを考える際には、自分の職歴と応募する仕事を考慮する必要があります。 これらの3つの書式は、読みやすく、採用管理システム(ATS)でエラーを出さずに処理できることが多いため、英文履歴書に最も適した書式だと考えられています。

A4一枚のページに収める

テック企業の場合は日本式のような数ページに渡る職務経歴書を書くのではなく、グローバル標準の一枚に収める努力をすべきです。担当者がレジュメに目を通す時間は20秒程度とも言われています。ボリュームが減る分内容を絞り込みましょう。あまり余計な内容を書きすぎるとあなたが一番見てほしい内容に到達しない、フォーカスできない可能性があります。後述するポイントを抑えておけば幾つも実績を載せる必要が無いことは分かります。
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A4二枚のページでは駄目なのか? どうしても収まらない場合には超えても問題ないでしょう。Resume Statistics 2022 (Analysis of 133,000 Documents)によると、リクルーターが2ページのレジュメを持つ候補者を選ぶ確率は、管理職では2.9倍、エントリーレベルでは1.4倍という調査結果も出ています。この調査はソフトウェアエンジニアだけに限らないので、参考になるかは分かりませんが、絶対に駄目ではない事が想像できます。

無駄なスペースをへらす

無駄なヘッダー、フッター、マージンなどにスペースを割くより、必要な内容を埋めましょう。しかしあまりに行間が狭いと読みにくくなるので注意。

各セクション

ワンカラムのレジュメを想定します。上からこの順番で書いていく事をオススメします。基本的に読んでほしいものから順に書いていきましょう。なお、外資系企業に提出するレジュメには日本の履歴書などに掲載する年齢、性別、顔写真などは一般的に載せる必要はありません。
セクション名
説明
Name / Contacts
名前、メールアドレス、GitHubアカウント、LinkedInアカウントを載せましょう
Summary
自己紹介文を書きます。ポイントとしては - 経験年数 - エンジニアのタイプ(バックエンド) - 得意なスキル - 仕事に対する姿勢 などを入れると良いと思います
Work Experience
職歴には会社名、所属期間、役割、実績・成果などを書いていきます。成果は可能なら売上へのインパクト、パフォーマンス改善、サーバーコストの削減などを入れ込みましょう。
Education
学歴を書きましょう。既に社会人で実績がある場合は短くまとめて構いません。
Others
資格、登壇実績、執筆など

Name / Contactsについて

名前と連絡先を書きます。またLinkedInやGitHubなどのリンクを載せる事であなたがどんなエンジニアなのかをリクルーターに上手く伝えられるように工夫しましょう。
Must
  • 名前
  • メールアドレス
  • LinkedInプロファイル
Nice to have
  • GitHubアカウント
  • 個人のWebサイト、ポートフォリオ
  • Qiita(もし日系企業ならこれらのサイトを載せましょう)
  • Medium(海外ではこちらが一般的)

Summary

Summary(職務要約)はもっとも最初に目が留まる所であるといって間違いありません。ひと目見た時にあなたが何のエンジニアであるのかを語りましょう。Summaryを書く上で幾つかヒントを紹介します。
  • 何のエンジニアなのかを経験年数と共に書き出す
    • e.g. Full-stack software engineer with 7+ years of experience in developing web applications.
  • 応募ポジションとマッチするサマリを書く
  • 得意スキルを書く(MS Wordなどの当たり前のスキルに関してはスペースが無駄になるので書かないようにする)
    • e.g. React, Java, Spring Boot
  • ソフトスキルも必要であれば書く
    • e.g. Strong mindset for big success to have a great impact on customers.

Work Experience(職歴)

レジュメの中で職歴は最も重要なセクションです。あなたがどんな責務や役割で、どんな仕事をし、何の成果を達成したのかをアピールしましょう。

応募するポジションに良い影響を与えない職歴は全て記入する必要はない

例えばあなたがキャリアチェンジ組で営業での経験を記入したとして、コーディングやソフトウェアの能力を示す事には繋がりにくいわけです。また私の相談者にバックエンドエンジニアとして応募したが、機械学習に関することをレジュメに書きそのエピソードを面接で話して良いアピールができずに落ちたという経験をされた方がいます。あなたが面接で話してアピールしたい実績や経験を書きましょう。

第三者から見てこのエンジニアと会ってみたいと思うような内容にする

レジュメとはこれまでの過去を写しますが、実際にはリクルーターやHiring Managerはこのポジションであなたがどう活躍できそうか?という未来の情報を読み取ろうとしています。客観的に見て魅力的なエンジニアに写っているのか見てみましょう。

職歴の書き出しのフォーマット

書き出しは↓でどの企業に何のタイトルでいつからいつまで所属していたのかを書きましょう。
会社:チーム名 | ジョブタイトル | 勤務開始日と終了日
例: Google: Google Maps | Senior Software Engineer | Jan 2017 – Dec 2020

次に所属企業での役割と責務を書きます(必須ではない)。
例: Role & Responsibilities: Take responsibility for deliverables and technical decisions as a senior engineer.

仕事内容と成果の箇条書き

箇条書きでどんな仕事をし [Action] 、何の成果 [Outcome] を達成したのか書きます。全てこの形式で書かなければ駄目とは言いませんが、結果がないと何のためにこの仕事をやっているのかが相手に伝わらないのと場当たり的に仕事をしているような印象を与えてしまいます。
[Action], which resulted in [Outcome].
[Action], which led to [Outcome].
[Action]. As a result, [Outcome].
[Action] には具体的な内容を入れるように意識しましょう。WhatとHow(OptionalでWhy)を入れると自然とそのような文章になります。下の例だと(How)ElastiCacheを活用して(What)リーダーボードのパフォーマンスを改善した事が分かりますね。
[Outcome]には可能なら数値を入れる事でデータドリブンに仕事している事が伝わりますし、成果に説得力をもたせる事ができます。下の例だとAPIのレイテンシが80%低下した事が書かれていますね。
例: Improved leaderboard page performance using ElastiCache, which led to a significant reduction in database workloads and an 80% decrease in leaderboard API latency. This enhancement also supported the handling of 500k page views per day.
また、チームメンバーやステークホルダーとの仕事の関わり合いがあれば積極的に書きましょう。我々は一人で仕事ができるわけではありません。特にテック企業のような巨大なエンジニアリング組織は縦割りに作られています。間違いなく様々な人と関わり、時には交渉・議論を行う事があります。
例: Work closely with the product manager and contribute to a product roadmap

規模感が伝わる内容にする

あなたが開発しているシステムが世の中で有名なら別ですが、ほとんどの方はそうではないのではないでしょうか?エンジニアの仕事においてシステムの規模感はとても大切な事です。
特にテック企業ではスケーラブルなシステム開発ができる能力がある事を求められますし、過去にそのような経験をやっていたのであれば真っ先にアピールすべきです。あなたの開発したシステムのユーザー数、アクセス数、クエリ数、レコード数、サーバインスタンス数。なんでもよいです。ひと目見た時に規模感がわかるとどのようなシステムだったのか相手に簡単に想像させる事ができます。
もう一度同じ文章を例に出しますが、デイリーで50万ページビューをもつリーダーボードのページを改善した事をアピールしており裏のシステムの大きさもそれによって相手に想像させる事ができます。
例: Improved leaderboard page performance using ElastiCache, which led to a significant reduction in database workloads and an 80% decrease in leaderboard API latency. This enhancement also supported the handling of 500k page views per day.
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レジュメに経験内容を書く時に注意すべきこと
サカモトはこれまで何人も候補者のレジュメを見てきましたが、要件定義から関わっているという割にはレジュメにはどんなタスクをやったかしか書かれていない場合が多いです。これは非常に勿体ないと思います。自分では分かっていると思いますが、Hiring Managerやリクルーターはあなたの事情などわかりません。レジュメに書いた事しか伝わらない事を意識しましょう。

Educationについて

特筆すべきことは有りません。最終学歴のみ書いてあれば問題ないです。CSもしくは関連学位を持っている場合は必ず書きましょう。

Othersについて

上記のどれにも当てはまらない内容を追加していきます。
  • OSSへのコントリビューション
  • 保有資格
  • 登壇実績
  • 研究実績

募集ポジションでレジュメを使い分ける(Optional)

余裕のある人はやりましょう。例えば、あなたがフルスタックエンジニアだったとします。フロントエンド(React)とバックエンド(golang)の経験があったとして、フロントエンドエンジニア(React)のポジションに応募する場合にバックエンドの経験を厚くする必要はありません。求人に書いてあるQualifications(必須スキル)に合致する経験に絞って書いていくのです。この場合はReactの経験を中心にレジュメを埋めていきましょう。
注意点としては、余りに細かくわけるとメンテナンスが大変なので、例としてはざっくりフロントエンド用とバックエンド用に分けて用意しておけば大丈夫です。何度も言いますが、余裕のある人だけやりましょう。

レジュメサンプル

こちらにガイドに従って書いたレジュメのサンプルを載せておきます。Google Docs版はInterviewCat購入者でレビューコメント(interviewcat.devのURL付き)をTwitterにしていただいた方限定に配布しています。よろしければご購入後にDMを頂ければ幸いです。
notion image
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ポートフォリオについて
最初に断りを入れておくとこれは私の個人的な見解です。所謂、学習用のポートフォリオをレジュメに載せたり、面接で語る事はあまりオススメしません。この学習用ポートフォリオは何のために作成したのでしょうか?現実の問題を解決しないようなものを載せても、正直プラスの評価になる事はあまり期待できないです。それは何故かというと学習用ポートフォリオは手段が目的化していまっていて、大事なソフトスキルの面が無視されているからです。
例外があるとすれば、それは未経験やエントリレベルのエンジニアです。この場合、ポテンシャルを見極める上であるとプラスになる事があります。何もない時に載せるのをオススメします。また普段どのように勉強していますか?という質問に対してサンプルを作っているくらいであれば問題ないでしょう。
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この求人に応募して書類選考突破する見込みありますか?
この質問は本当によく来ます。正直個別の状況や応募企業によるとしか答える事はできませんが、人は条件を設定した方が迷いなく行動できるので、サカモトが考える即戦力Midレベル以上の有名テック企業の求人の書類選考をパスできる条件を3つ並べます。
  • 次のいずれか一つ当てはまる
    • ソフトウェアエンジニアとしての経験年数3年以上
    • レジュメでアピールできるプロジェクトが3つ以上ある(個人プロジェクトを含めない)
    • 有名OSSコントリビューション、技術発信で実績(カンファレンス登壇等)など、対外的にアピールできる実績がある
  • 自分の経験やスキルと求人が求める経験やスキルが50%以上マッチしている
  • 自分が経験したプロジェクトが良い経験のいずれかに当てはまる
    • 技術的に困難な課題に挑戦した
    • 自分の目指すポジションに必要な技術領域を深めることができた
    • ビジネスインパクト
    • リーダーシップを発揮した
    • チーム内外とのコラボレーション
    • 革新的なアイデアを提案
あくまでサカモトの意見ですが、これらが揃っていると有名企業においてレジュメが通りやすくなると考えています。
 
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